カチューシャの唄
歌:松井須磨子
< オリエントレコード A-757 大正3年5月、京都 >
「カチューシャの唄」をご存じですか?
大正3年、日本新劇の父、島村抱月率いる「芸術座」のトルストイ原作『復活』の劇中で女優松井須磨子に
よって歌われた。抱月は渡欧中、ロンドンで同作品の舞台に劇中歌が歌われ評判になっているのを観ており、
軌道になかなかのらない芸術座の起死回生をかけて、同公演に劇中歌を挿入することとした。
作詞は抱月が台本執筆中に1番の歌詞を作詞しており、2番以降を弟子の相馬御風に託した。作曲は御風の
進言により、抱月宅の書生をしていてまだ無名の中山晋平に依頼した。
カチューシャ役の松井須磨子が劇中で歌い、公演は大成功を納めた。松井須磨子は京都巡業中、オリエント
レコードに「カチューシャの唄」と台詞の一部をレコード吹き込みをした。(もちろんまだアコースティック
録音の時代で、大きなラッパに向かって吹き込む方式だ。)
このレコードが日本全土で飛ぶように売れ、(その売れ行きは、倒産寸前だったオリエントレコードが息を
吹き返したほど。もっともその後、同社は後々にコロムビアとなる会社に吸収されているが・・・。また、
このディスクを聞きたいがために蓄音機を入手する者も多かったと見えて、蓄音機の普及にも貢献している
ようだ。)「レコード盤」というメディアによって全国に流行した日本の歌謡(流行歌)第1号となった。
現在、この歌の誕生に関わった4名の出身地による交流が行われている。
「カチューシャの唄」知音都市交流
島村抱月の出身地=島根県那賀郡金城町
相馬御風の出身地=新潟県糸魚川市
中山晋平の出身地=長野県中野市
松井須磨子の出身地=長野県長野市(松代)